■ 核医学検査とは


核医学検査とは、放射性同位元素(Radio Isotope:RI)という放射線(主にガンマ線)を出す少量の薬剤(これを「放射性医薬品」と⾔います)を⼀般的に静脈注射、他にカプセルを飲んだり、ガスを吸ったりして体内に取り込みます。

取り込まれた放射性医薬品から放出される放射線を専⽤のカメラ(ガンマカメラ)を⽤いて撮影し、体内分布を画像化したり、時間的変化を追跡したりして、検査⽬的の臓器・組織の⽣体機能ならびに腫瘍の活動性の状況や広がり等を検査します。
撮影は、ガンマカメラ(SPECT装置やSPECT/CT装置)を⽤いて行い、得られたデータをコンピュータ処理し画像を作成及び解析を行い診断します。 核医学検査は、CT検査・MRI検査による形態画像では捉えにくい臓器・組織の⽣理学的機能情報や代謝情報を画像化するばかりでなく、定量性にも優れた特徴を持つため、治療⽅針の決定、治療効果の判定や予後予測を⾏うのに重要な検査です。
 

 
 

■ 核医学検査の流れ


核医学検査は、放射性医薬品の体内での動きを画像化する検査法です。
静脈注射、経⼝、吸⼊などの経路の⽅法で体内に取り込まれた放射性医薬品を、注射直後または⼀定時間後よりガンマカメラで撮影し、デジタルデータをコンピュータに取り込んで解析します。この画像及び解析値を⽤いて診断を⾏います。

1)予約

核医学検査に使⽤される放射性医薬品には、その有効期限が当⽇限りのものが多いため予約検査で⾏われます。予約の際は、検査に必要な前処置と検査に要する⽇数・時間を必ず確認してください。

 

2)前処置

検査によっては下剤の服⽤、⾷事制限、服⽤中のお薬を検査終了まで⼀時中断する場合があります。具体的な内容は医師よりの指示及び予約票に記載されていますので、確認してください。

 
 

3)放射性医薬品投与

多くの場合静脈注射ですが、中にはカプセルの服⽤や、ガスを吸⼊していただく場合があります。投与した薬が⽬的部位へ集まるのを待ってから撮影となりますが、検査により投与直後から数⽇までと待ち時間は様々あります。

 

4)撮影実施

撮影は通常専⽤のベッドの上で仰向けの体位で⾏われます。1回の検査は約20分〜60分で終わりますが撮影を繰り返し1日~数日かかる検査もあります。

 

5)データ解析

検査結果はコン ピュータで解析した画像を⽤います。また様々な定量的指標として⽣理学的情報を数値化します。最近では機能画像を作ることも多くなっています。

 

6)レポート作成、結果説明

核医学の専⾨医が検査結果より診断レポートを作成します。レポートは依頼科に送られますので、担当医より説明を受けてください。