■ PET検査とは
PETとは、Positron Emission Tomography(陽電子放出断層撮影)の略です。
従来のCTやMRIなどの体の構造をみる検査とは異なり、細胞の活動状況を画像でみることができ、がん、脳、心臓などの病気の診断に有効です。
PET検査では一度の撮影でほぼ全身をみることができます
薬剤を注射して約1時間安静にした後、カメラの下で30分ほど横になっていただくだけです。
全身を一度に撮影しますので、転移や再発の発見に有用です。
薬剤の集まり具合で組織の活動や、良性・悪性の識別をすることができます。
【正常例】
脳、咽頭口蓋、心臓、肝臓、腎臓、尿管、膀胱などへは、正常であってもFDGの集積が認められます。したがって、これらの臓器に発生したがんの検出は苦手な場合があります。
■ PET検査の原理
からだを構成している細胞は、生きてゆくためのエネルギー源として「ブドウ糖」を必要としています。がんなどの悪性腫瘍は正常な細胞よりも増殖が盛んに行われるため、3~8倍のブドウ糖を必要とします。
PET検査は、このようながん細胞の性質に着目して、がんを発見する診断法です。 ブドウ糖にごく微量の放射線を放出するフッ素-18(18F)という「放射性同位元素」をくっつけた薬剤(以下、FDG)を体内に注射し、PETカメラという装置を用いて、FDGの全身分布を撮影します。
がん細胞にはFDGが正常細胞よりたくさん集まります。そこから放出される微量の放射線をPETカメラでとらえて、がん細胞の位置や大きさだけでなく、がんの進行度合いを調べます。
■ PET/CT検査とは
PET/CTとは、PET(Positron Emission Tomography : 陽電子放出断層撮影)とCT(Computed Tomography:コンピュータ断層撮影)の特徴を融合させた検査です。
PETではがん細胞の活動状況を知ることを得意とします。また、CTでは臓器の形をしっかりと映し出すことを得意とします。その二つの画像を重ね合わせてみることにより、正確な診断を行うことが出来ます。
PET/CTはPET装置とCT装置を一体化したもので、二つの検査を同時に短時間で行うことができます。