核医学検査 Q&A

よくある質問にお答えします

患者さん

核医学検査(アイソトープ検査)とはどんな検査ですか?

技師

核医学検査とは、病院によってはアイソトープ検査やRI(アールアイ)検査とも呼ばれていて、微量の放射性同位元素(ラジオアイソトープ)で目印をつけた薬(放射性医薬品)を使って病気の有無を調べる検査方法のことです。すなわち、ある特定の臓器や組織に非常に強い親和性をもつ薬剤に目印としてアイソトープをつけて投与すると、目的とする臓器に集まります。その医薬品につけられたアイソトープから放射線がでています。専用のカメラを用いますと一連の画像として写すことができます。この画像から臓器の形や働きがどのようになっているかがわかります。核医学検査の専門医がこの画像を解析して、病気があるかないか、どのようになっているかを調べます。

患者さん

核医学検査で使う薬とはどんなものですか?

技師

この検査に用いられる薬を放射性医薬品といいます。普通の医薬品と異なり、γ(ガンマ)線などの放射線を放出して減衰していくラジオアイソトープを含む薬品で、時間の経過とともに効力を失います。また専用の施設において放射線の取扱いに習熟した専門医が使用するよう法的に規制されています。

この薬は患者さんに直接注射したり飲んでもらったりして検査を行います。

患者さん

核医学検査の段取りはどのように行われているのですか?

技師

検査の予約、前処置、検査実施、結果のお知らせなどの一連の流れは他の検査とよく似ています。

患者さん

核医学検査の予約は?

技師

核医学検査は全て予約検査です。用いる放射性医薬品には半減期があり、その有効期限は当日限りのものが多いためです。検査の緊急度、目的、検査の混み具合にもよりますが、検査は申し込んでから2, 3日~1, 2週間かかる場合が多いです。検査に必要な前処置と検査に要する日数、時間などを聞いておくことが大切です。

患者さん

核医学検査の前処置は?

技師

多くの核医学検査では前処置が不用です。しかし検査の性質上、目的の臓器にくすりが集まるまで2~3時間待って頂いたり、朝の絶食、服用中のお薬を検査終了まで一時中止する場合もあります。例えば甲状腺摂取率の検査では1週間前から検査終了まで海藻など、ヨウ素摂取を禁止されることがあります。予約の時によく聞いておきましょう。(予約票にも前処置内容が記載されています)

前処置のページへ

患者さん

核医学検査の方法は?

技師

多くの場合静脈注射あるいはカプセルを経口で服用します。検査は専用ベッドの上でCT検査、MRI検査と同じような仰向けの体位で行われます。検査で来院されてから1時間で終了する場合が多いのですが、なかには翌日など後後日もう一度来て頂くこともあります。

患者さん

核医学検査の後は?

技師

放射線による副作用はありません。しかし薬によるものや、注射自体による影響などがまれに(10万人に1.3人程度)報告されています。もし検査途中で気分が悪くなったり、胸が苦しくなることがあれば遠慮なく医師、技師、看護師に知らせてください。

患者さん

核医学検査を受けましたが、放射線被ばくが心配です。子供ができなくなることはないですか?

技師

男性の場合も女性の場合も、核医学検査を受けたことが原因で子供ができなくなることはありません。また核医学検査を受けたときに仮に妊娠していたとしても、核医学検査で受けた放射線が原因で胎児に影響が現れることもありませんので心配いりません。

患者さん

放射線による不妊が発生する線量と核医学検査の関係は?

技師

卵巣あるいは睾丸に数百ミリグレイ以上の放射線を受けた場合には、一時的に子供ができにくくなることがあります。永久に子供ができなくなるのは卵巣や睾丸に数千ミリグレイ以上の放射線を受けた時です。卵巣あるいは睾丸に受けた線量がこれよりも低い場合には不妊が起こることはありません。核医学検査の種類によって卵巣や睾丸の受ける線量は異なりますが、どのような核医学検査でも卵巣や睾丸の線量が数百ミリグレイを越えることはありません。したがって核医学検査が原因で不妊になることはありません。

患者さん

胎児への影響は?

技師

核医学検査が行われたときに妊娠しておりますと胎児が放射線を受ける可能性があります。しかし胎児に奇形や大脳の発達の遅れがおこるのは、胎児が百ミリグレイ以上の放射線を受けた場合です。胎児の受ける線量は核医学検査の種類や妊娠の時期によって異なりますが、いずれの検査の場合も胎児の線量が百ミリグレイを越えることはありません。したがって仮に妊娠中に核医学検査を受けたとしても胎児に奇形などの影響が発生することはありません。