■ X線撮影(レントゲン)検査とは
皆さんが、放射線部の外来にいらっしゃると、よく「レントゲンを撮りにきました」と言われますが、レントゲンとは、ドイツの物理学者の名前です。1895年にレントゲン博士<ヴィルヘルム・コンンラート・レントゲン(Willhelm Conrad Rontgen)>によりⅩ線が発見され、第1回ノーベル物理学賞を受賞しました。
レントゲン博士は「科学の発展は万人に寄与すべきである」と考え、Ⅹ線に関して特許などによる個人的・経済的利益を一切得ようとはしませんでした。
レントゲン博士がⅩ線を発見して以来、医療分野では主に骨や肺の病変を描き出す画像診断として積極的に利用されています。
レントゲン博士
■ X線撮影検査について
X線を用いて体内の骨や組織、器官などの構造を画像化する検査です。
X線写真は(別名:レントゲン写真)は、全身どこでも簡便に撮影することが可能であり、医療現場では汎用されています。CTやMRIなど、種々の画像診断が発達した現在においてもその重要性は失われていません。
当院は、医療被ばく低減施設として認定されており、検査における被ばくも最適化されております。なにか心配なことがございましたら、お気軽に担当スタッフにお尋ねください。
X線撮影装置
■ Ⅹ線画像の原理
Ⅹ線画像の原理を簡単に説明しますと、Ⅹ線画像は言わば影絵であり、撮影部位にもよりますが必要最低限のⅩ線を人体に当て、透過した部分を影絵としてとらえます。
身体の各臓器によってX線の透過度が異なり、臓器によって描出のされ方が異なります。X線の透過度が高い組織は空気(肺、消化管ガス)や脂肪であり、画像では黒く表示されます。透過度が中程度の組織は水(胸水、腹水、尿)、軟部組織(脳、腹部臓器、筋肉など)であり、画像では灰色に表示されます。透過度が低い組織は石灰化(胆石、腎結石など)、骨であり、画像では白く表示されます。透過度の差がコントラストとなってX線写真の正常構造や病変が描出されます。
現在ではX線の検出媒体のデジタル化が進み、スクリーン・フィルムに代わってイメージングプレート(IP)もしくはフラットパネル(FPD)を使用し、検出媒体に蓄積された情報を映像化します。デジタル化によって常に安定した画像を提供することが可能となり、被ばく量も従来より少なくなっています。イメージングプレートやフラットパネルおよびコンピュータ画像処理により骨部から軟部まで幅広い領域を描出することが可能となり、診断能の向上に役立っています。