検査に関するよくあるQ&A


<造影検査について>

患者さん

食事制限はありますか?

技師

食事や水分の制限はありません。検査当日は水分を多めにとるようにしてください。

造影検査前に水分補給をしていただくことで、造影剤の副作用の発現率が減少すると言われています。

患者さん

採血結果はなぜ必要なのですか?

技師

血液検査で腎機能を確認する必要があるためです。腎機能が低い方は、造影剤腎症(Contrast Induced Nephropathy :CIN)が起こりやすいため、造影剤を使用しない他の検査への変更や、医師立ち会いでの検査施行を検討します。

患者さん

糖尿病の薬を服用しているかどうか聞かれるのはなぜですか?

技師

ビグアナイド系糖尿病薬を服用されている方は、造影剤によって乳酸アシドーシスと呼ばれる”血液が酸性に傾く状態”になる可能性があります。この症状を回避するために、検査前後2日間(合計5日間)のビグアナイド系糖尿病薬の休薬をお願いしております。服用されている方は事前に主治医もしくは検査技師に申し出てください。

患者さん

造影剤を注入すると、体が熱く感じますが大丈夫でしょうか?

技師

造影剤を静脈内に急速に注入した際に、血管が拡張することで全身が熱く感じますが、これはほとんどの方に生じる正常な反応ですので、ご安心ください。通常、数分以内に収まります。

患者さん

造影剤による副作用はどのくらいの頻度で発現しますか?

技師

造影剤の副作用が発生する頻度は、軽微なもの(吐き気、嘔吐、かゆみなど)を含めると3%程度です。その中でも重篤な副作用(呼吸困難、血圧低下など)が発生する頻度は0.04%以下であると言われています。当院では万が一副作用が生じた場合にも、すぐに対処できる体制を整えて検査を行っておりますので、ご安心ください。

患者さん

喘息や造影剤副作用歴がある場合、どれくらいリスクが高いのでしょうか?

技師

喘息や造影剤副作用歴がある方の場合、副作用の発現率が通常よりも3〜10倍高いとされています。当院では副作用が起こりやすい患者さんに対しては事前に副作用の危険性と造影検査を行うことの利点を総合的に判断し、担当医師立ち会いのもと、万全の体制を整えて検査を実施しています。また副作用歴がある場合は、副作用発生時に使用した造影剤と異なる種類の造影剤を用いて検査を実施しています。

患者さん

造影検査後に水分を摂取する際には、何をどれくらい摂取すればいいですか?

技師

水分制限が必要な方を除き、造影検査後には造影剤の排泄を促進するために水分摂取をお願いしております。お飲み物の種類は何でも構いませんので、造影検査後は通常よりコップ1〜2杯以上多めに水分を摂取するようにしてください。

患者さん

授乳中なのですが、造影検査後も通常通り授乳しても問題ないのでしょうか?

技師

米国放射線学会(ACR)や欧州泌尿生殖器放射線学会(ESUR)の最新のガイドラインでは投与後24時間以内の母乳への移行は投与量の1%未満、乳児の消化管からの吸収は母乳中の造影剤の1%未満であり、造影剤使用後の授乳について強い制限はしていません。

これらのデータから造影剤使用後の授乳による乳児への影響は非常に小さいと考えられ、日本放射線医学学会も特段の理由がない限り、造影剤使用後の授乳制限は必要ないものと判断しています。

しかし造影剤使用後の授乳についての対応は、主治医が母親に対し、1)造影剤使用による検査の必要性、2)造影剤使用後の授乳及び授乳制限による影響について説明し、よく相談した上で決定することが望まれますので、まずは主治医にご相談ください。

 

<放射線検査による被ばくについて>

患者さん

何回も撮影したけど身体に影響はないのですか?

技師

通常のX線検査を何回受けても特に問題ありません。検査で用いる放射線の影響はほとんどなく、検査から得られる情報が大きく安全です。

X線検査で障害が発生する放射線量を受けることは、通常の検査法ではありません。単純撮影、CT検査、消化管検査等の複数の検査を受けても限定した部分の撮影であり、障害を心配する放射線を超える事はありません。

患者さん

短期間にいろいろなX線検査をしましたが影響が心配です

技師

一般的なX線検査では身体的影響の発生が問題になることはありません。検査から得られる情報の方が大きく安全です。

X線検査で障害が発生する放射線量を受けることは、通常の検査法ではありません。単純撮影、CT検査、消化管検査等の複数の検査を受けても限定した部分の撮影であり、障害を心配する放射線を超える事はありません。

患者さん

子供の撮影を介助した後、妊娠がわかり胎児への影響が心配です

技師

妊娠初期(0~8週)の胎児は放射線による影響の発生レベルが100mGy/回、また胎児(8~15週)の場合は120mGy/回ですが、小児の撮影における皮膚の放射線量は約0.09mGyと低い値です。また介助者は直接X線を受けることはなく、患者様からの散乱線もほぼゼロに近い量となり、さらにX線防護衣により胎児が放射線を受けることもなく影響は心配ありません。また妊娠中の方で生殖腺から離れた部位のX線検査を受けた場合も影響を心配することはないので安心してください。

患者さん

交通事故に遭い骨盤と頭部のX線検査を受けたが、妊娠がわかり影響が心配です

技師

骨盤正面撮影、頭部2方向撮影の入射表面推定線量はそれぞれ2~3 mGy、また生殖腺の線量は骨盤正面撮影で約1mGy、頭部3方向撮影では、ほぼゼロになります。これは胎児への影響の発生を考慮しなければいけない100mGy/回よりも非常に低い量なので胎児への影響は心配ありません。受傷部の状態を知るための適切な検査ですので安心して下さい。

患者さん

子供が新生児期に頭部CTを受けたが将来放射線の影響がでることはないのですか?

技師

頭部CTで使用される放射線量は一般撮影に比べ多いのですが、影響において重要なのは、どの臓器にどの程度放射線を受けたのが問題となります。考えられる身体的影響として甲状腺に対する発がんですが、甲状腺は約2 mGyの放射線量を受けますが、これは自然放射線量と同程度です。また赤色骨髄は約3 mGyの放射線量を受けますが50~200mGy以下の線量では白血病の発生確率には影響しないとわかっています。遺伝的影響に対しては、生殖腺に放射線を受けた場合のみ発生しますが、頭部CT検査の場合受ける線量は、ほぼゼロなので影響は全く心配ありません。