
■ アミロイドPET検査について
認知症の種類として、最も割合が多い
「アルツハイマー型認知症」
日本の認知症高齢者は2012年で462万人と推計されていましたが、今後の高齢者人口の急増とともに、2025年には約700万人(65歳以上の高齢者の約5人に1人)に達すると見込まれています。
認知症の6割以上はアルツハイマー型認知症
認知症は高齢者の健康を脅かす重要な問題であり、その中でも最も一般的な病態がアルツハイマー型認知症です。我が国の認知症患者は2025年には約700万人(65歳以上の約5人に1人)に達するといわれており、アルツハイマー型認知症は認知症の原因の6割を超えるといわれております。
異常なタンパク「アミロイドβ」がアルツハイマー型認知症の原因
アルツハイマー型認知症では脳内にアミロイドβやタウタンパク質が沈着することで、神経細胞の障害をきたし認知機能が低下すると考えられています。
認知機能の症状が出る前や、脳の萎縮が生じる前に診断するための画像検査として、脳組織の血流の低下を捉える脳血流SPECTや糖代謝活性をみるFDG-PETがあります。
アミロイドPETがアミロイドβの脳内沈着を画像として捉える
アルツハイマー型認知症では、発症する前から脳内にアミロイドβが沈着していると考えられ、アミロイドPETではこのアミロイドβの沈着を確認することが可能となります。アルツハイマー型知症の原因とされるアミロイドβを取り除く治療薬がアメリカで承認され、国内でも今後登場してくる見込みです。早期に発見することで、ご自身だけでなくご家族にとっても大きなメリットになると考えられます。
■ アミロイドPET
当院は「アミロイドPET撮像認証」取得施設です

認知症で最も割合が多いアルツハイマー型認知症
認知症にはいくつかの種類がありますが、最も割合が多いとされているのが「アルツハイマー型認知症」です。認知症の6割以上を占めるといわれています。
アルツハイマー型認知症の原因
「アミロイドβ」と呼ばれる異常タンパク質が、脳に長い時間かけて蓄積することが発症に関与しています。
蓄積したアミロイドβにより神経細胞に障害をきたし、最終的には脳委縮が生じます。これにより、認知機能の障害が進行していきます。

● アミロイドPET検査とは
脳内のアミロイドβ蓄積の有無や程度を調べる検査です。 アミロイドβと結合する性質をもった放射性医薬品を注射し、蓄積の程度を可視化します。 かなり早い時期から異常を検出できるため、早期発見・早期治療が可能となります。早期に治療を開始することで、認知症の進行を遅らせることが期待されます。 この検査では、アルツハイマー型認知症で約98%、軽度認知障害(MCI)で約68%が陽性となります。
検査の基本的な流れ
他の検査と違い、検査前の絶食等は必要ありません!!
- 注射:放射性医薬品を静脈注射します。
- 安静:注射後は90分、安静にしていただきます。
- 撮影:PET装置のベッドに横になっていただき、約30分撮影します。

アミロイドPET画像
陽性像では脳の皮質に検査薬剤が集積して赤くなっていることが分かります。これはアミロイドβの脳内沈着を示す所見です。

アルツハイマー型認知症の治療
脳内に蓄積する異常タンパク質(アミロイドβ)を除去し、認知機能低下の進行を遅らせる点滴治療薬「レカネマブ」が2023年9月に保険承認されました。
この治療薬を使用するには、アミロイドPETが陽性である必要があります。治療に関する詳細は、精神神経科へご連絡ください。
アミロイドPET検査の流れ
SET1 受付・更衣
検査前日から、事前にお送りした説明書の注意事項に従って準備を行ってください。当日は、ご記入いただいた同意書を受付時にご提出いただきます。
STEP PET薬投与
PET検査のくすり(ビザミル静注)を静脈内に注射します。
STEP3 安静(約90分)
投与したくすりが脳内に行き渡るまで、安静にしてお待ちいただきます。
STEP4 PET-CT撮像(約20分)
ベッドに仰向けで寝ていただき、PET-CT検査を行います。PET-CTは、PETによる機能の撮影とCTによるかたちの撮影を同時に行うことでより精度の高い撮像を短時間に行います。